の子の話




デュオがヒイロに女だとばれたのは、OZに捕まったところを助けてもらったときだ。
気を失っていたデュオを手当てするときに洋服を脱がせたら…といった具合に。
しかし裸を見られたからといって恥ずかしがったりもせず特に気にした様子もなかった。
そして戦争が終わった今も気にしている様子はなく、女としての自覚が全く無い。


風呂から上がったヒイロがリビングに行くと、先に風呂に入ったデュオがタンクトップとショートパンツといった格好で床に寝転んでテレビを見ている。
「デュオ、髪の毛くらい乾かせ。風邪を引く」
テレビに集中しているのか気のない返事がかえってくるだけで髪の毛を乾かす気配がない。
しょうがないと洗面所からドライヤーと櫛を持ってきてデュオを座らせると、ヒイロはデュオの髪の毛を乾かし始めた。

「きちんと服を着ろ」
髪の毛を乾かしてもらい気持ち良さそうにしているデュオに唐突に言う。
この言葉は毎日毎日ヒイロがデュオに言うことなのだが、どーせお前しかいないしいーじゃんと改善する様子がない。
「毎日同じこと言うけどさー…あっ!もしかしてヒイロ、俺に…」
「そんなわけあるか。そういうことは谷間ができてから言え」
タンクトップの隙間からまっ平らな胸をちらりと見るとニヤニヤしたデュオが後ろをふり向いた。
「やだーひーさんってばどこ見てんの?スケベ〜」
わざと胸元を隠してからかうデュオに、ふぅとため息をついて櫛で頭を軽く叩くと大袈裟に痛がりわめき始める。
「大人しく前を向いていろ髪が乾かせない」
ヒイロがぐいっと顔を前に向かせると、はいはいとつまらなさそうにデュオは大人しくなった。

――全くもう少し女らしくできないのか…
ここ最近のヒイロの悩みなのだが、これを本人に言うと物凄く不機嫌になるので言わないようにはしている。
しかしどうにかして女だと言うことをデュオに自覚させたいと思っていたヒイロなのだが、ようやくチャンスが巡ってきた。

「そういや今週末だったよな」
乾いた髪を編み終わり洗面所へドライヤーと櫛を置きに行ったヒイロはそうだと一言いいながら戻って来た。
「5人全員揃うのなんて久しぶりだから楽しみだな〜。カトルん家の別荘だから飯がうまいのは確実だし!」
なっ!と上機嫌に飛びついてくるデュオの頭を撫でて頷く。
そうチャンスとは週末に行く予定のカトルの別荘のことなのだ。
ヒイロはデュオに内緒でこの日のための準備をした。
その日が後数日でくると思うと自然と機嫌が良くなるというものだ。
抱きついていたデュオもそんなヒイロを感じ取ったのか更に上機嫌になった。
厄日になるとは知らずに…。


別荘にて→