らからのてがみ






放浪癖のあるデュオはすぐに連絡が取れなくなる。
それを心配したカトルが、1ヶ月に1回は連絡をよこすこと!と耳にタコができるほど言ったおかげでデュオの状況を知ることができるようになった。
ある時は絵はがき、またある時は小包、そして写真が添付されたメールなどが送らてくる。だいたい今いる場所やそこの何々がきれいだの何々がうまかった!という感想がそえられていた。
デュオが感動した景色の写真を見ていると自分まで旅をしている気分になるとカトルは楽しそうに語り、変なお土産を送りつけられて処分に困ると五飛は腹を立て、トロワはその変なお土産を興味深そうにいじくり回す。4人が集まればここにはいないデュオの旅の事で話が盛り上がる。写真を見てここに行ってみたいとか、一人一人違うものが送られてくるお土産(どういう選考なのか謎だが)を見せあったり話題には事欠かかなかった。



今日もメールがきていて中身はいつも通り大まかな現在地や近況。
写真は無かったが、おおざっぱな説明でその土地の情報が書いてある。そして感想。故郷の宇宙を飛び出したデュオが、地球の自然に感動しているのであろう事は今までのメールから容易にわかる。
初めて地球に降りたときは任務、任務で観光どころでは無かった。各地を回るデュオに学校に通う自分…。つくづく平和になったものだと思う。学校を卒業したら、デュオの様にフラフラするのも良いかも知れない。そうしたらいつかデュオに会えるだろうか?

あいつは本当はどこにいるのだろう。メールに目を通しつつ考える。
戦争が終わりちょっとゴタゴタしたけれど、世界は平和に向かっていて、ヒイロは学校に通い始め、デュオはジャンク屋を始めてお金が貯まればフラッと旅に出ていた。
そして次はオーロラでも見たいな、なんて冗談を電話越しで聞いた次の日、デュオの乗った地球行きのシャトルは事故にあった。生存者は数名のみ。デュオは生存者の中にはいなかったが遺体も見つからなかった。

あの電話を最後にデュオの声は聞いていない。死んでるのか生きているのか、ただ「デュオ」から届く便りは教えてくれなかった。
4人で集まっても誰1人としてその事には触れようとはしない。みんなわかっているから。事故に巻き込まれた者からの便り。口に出して言ってしまえば届かなくなりそうで…。だから誰も事故の事は言わない。もしかしたらそのうちフラッと訪ねてくるかもしれないから。

ヒイロはデュオに会える日を楽しみにしている。きっと本人が直接語られる旅の話は脚色がたくさんついて面白いだろう。それとこっちも言いたい事はたくさんある。
だから早くこっちへ帰ってこい。
いつか会える日を待ちながら、明日も明後日も明明後日も1ヶ月先も1年先もデュオから届く便りを楽しみにしている自分を思い、ヒイロは苦笑した。




2009.09.27